最高位戦・プロ協会・RMUが意地の殴り合い!麻雀プロ団体日本一決定戦最終節4回戦B卓レポート

9/25(日)14:30よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、第1回麻雀プロ団体日本一決定戦最終節4回戦B卓の様子をお届けします!

対局者は、起家から順に

近藤誠一(最高位戦日本プロ麻雀協会)

阿部孝則(RMU)

勝又健志(日本プロ麻雀連盟)

木原浩一(日本プロ麻雀協会)

レポーターは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)です。

その重要性から、急きょ放送卓となった大将戦。


開始前、本日絶不調の近藤が死にそうな顔で廊下にたたずんでいた。

何やら、みな気まずそうにしているので、私が近づき、試しに肩を揉んでみる。

近くでは、木原も疲れた表情でエレベータを待っていた。

30秒ほど肩を揉むと、近藤が口を開く。

近藤「サンキュー!これで、マンガン1回ぐらいはアガれるかな」

私「もう3900ぐらいでもいいですけど(笑)なんかアガりましょっか」

近藤「まあ、とりあえずマンガン1回アガるよ」

こういう空気を読まない強引なムード作りは、最高位戦では石井、平賀、私辺りの役割だろう。


「お願いします、誠一さん、木原さん!最終戦勝負にするためには、あなた方2人の追い上げが必要です!頼んました!」

そう心の中でエールを送り、各団体を背負う大将2人を送り出した。


東1局1本場、その近藤がオヤリーチをかける。

ここに、阿部も追いついてリーチ。

2p5p8pで、近藤と重なる待ちだ。

そして2pツモで決着。

2pを手繰り寄せたのは阿部。

トータル最下位脱出を狙うRMU阿部が、意地の3000・6000でトップ目に立つ。


すると、これに続けと、勝又のオヤ番では木原。

9巡目リーチをドラでツモると、ウラが2枚乗って3000・6000。

今度は木原がトップを逆転する。


ここで、近藤にもようやく手が入った。

7m単騎から5s8sに変えてマンガンのリーチ。

ここに、オヤの木原も2s8sシャンポンで追いかける。


また待ちが重なっている。

そして、その8sツモで決着。

今度は近藤が制し、2000・4000。

「マンガン1回アガるよ」

近藤は約束を守る男である。


すると、南入直後に、近藤がオヤリーチを勝又から一発でアガる。

宣言牌が9pになることを嫌い、1巡回しての空切りリーチで8pを打ち取り。

7700で勝又をラスに押し込める。


しかし、近藤に試練。

オヤの勝又が中をアンカンして6巡目にカン2mでテンパイしていたところ、もうこれ以上ダマテンにはできないと、10巡目に空切りリーチを敢行する。

木原も1枚切れ白単騎の現物待ちで押し返す。


そして、2mを掴んでいた近藤に、悪魔からの贈り物が届いた。

「うわあ」と悲鳴が上がる控室。

これはさすがに放銃になる。

誰もが、そう思った。


しかし・・・

近藤、なんとテンパイ外しで放銃回避!!

最高位戦・石井「マジ!?すげえ!!これ、何?何なの?」

確かにこれはすごいなんてものではない。

悪魔を超える、鬼がそこにはいた。

近藤「あれは打たないよ。考えたのは押し引きではなく、2sで回るか6mで回るか」

すると、木原のテンパイも王牌に阻まれ、流局。



次局では、阿部の仕掛け、近藤のリーチをかわし、木原が仕掛けてアガり切ってオーラスを迎えた。


オーラス、素点の回復を狙い、勝又がドラアンコの1s4sリーチをかける。

すると、粘っていた近藤にもテンパイが入った。

対局者に頭を下げ、長考に入る近藤。

3sは直前に2枚切れた待ち。

ここでリーチの供託を出すと瞬間3着に落ち、勝又のツモアガリ時に3着となってしまう。

しかし、団体優勝にはここでのトップ逆転が必要だ。


近藤の背中には最高位戦が乗っている。

ここで3着になったらそれこそ優勝はないだろう。でも、ここでトップを取れなければ、最終戦には厳しすぎる条件が残るはずだ。

リスクを取って優勝を目指すのか。

無難に1つでも上の順位に残ることを目指すのか。

近藤の選択はどちらなのか。


「誠一さん、いいよ。任せてるから。思うがままに打ってくれよ」


チームの想いは、そして近藤の想いは1つだった。

近藤の選択はリーチ。

近藤「やっぱ、優勝だよな?」

このリーチ宣言の瞬間、最高位戦所属者はみな、ほっとした。

このリーチは、自分たちが最高位・近藤の重荷になっていないことの証明だったのだから。

結果、近藤は1度もツモることなく、勝又がツモアガる。

最高位戦にとっては、最悪の結果だ。

それでも、これが近藤の選択による結果ならと、みなが納得した。

木原 +41.4

阿部 +10.7

近藤 ▲9.4

勝又 ▲42.7

かくして、プロ連盟が約400ポイント差と、非常に有利な状況で大将戦最後の1回を迎えることとなった。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)

麻雀プロ団体日本一決定戦

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