8年越しのリベンジ!盟友激突!麻雀プロ団体日本一決定戦 第3節の見どころ
9/13(火)16:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送される、第1回麻雀プロ団体日本一決定戦 第3節の見どころをご紹介します!
レポーターは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)です。
1回戦ごとの放送卓は、下記となっています。(プロ連盟、プロ協会、最高位戦、RMUの順、◎は団体の大将)
【1回戦】瀬戸熊直樹、小倉孝、水巻渉、河野高志
【2回戦】藤崎智、小倉孝、村上淳、谷井茂文
【3回戦】内川幸太郎、鈴木達也、村上淳、河野高志
【4回戦】瀬戸熊直樹、吉田基成、村上淳、多井隆晴
なお、第2節終了時の成績はこちら↓
2節目では最高位戦がプロ連盟を逆転する場面もあったが、プロ連盟が再逆転して首位で中間点を折り返した。
2節目ではプロ協会も大きくポイントを伸ばし、上位の背中が見えてきている。
逆に厳しい立場となったのがRMU。2節目でもマイナスし、500ポイントのマイナスを背負った。とはいえ、1回戦で全員トップなら300ポイントほどプラスできるため、まだまだ追い上げることは可能だ。
そんな中、今回見どころとして挙げるのは2回戦と4回戦。
【2回戦】藤崎智、小倉孝、村上淳、谷井茂文
小倉、8年越しのリベンジなるか!?
「小倉 孝」
最近麻雀番組を視聴されるようになった方には、馴染みのない名前かも知れない。
2005年、ネット麻雀出身のある新人が、一番下の予選から出場し、プロ協会ナンバー2のタイトル「雀竜位」を獲得する。
フロックと言う者もいたが、それには理由があった。
それまでの競技麻雀ではあまり見かけなかった愚形リーチがとにかく多かったからだ。
例えば、ドラの東のアンカンが入っている状況で、45679という変化の多そうな形でも、先制とあらば積極的にリーチしていく。
このスタイルで翌年も平然と雀竜位を連覇し、世間に実力を認めさせた。
そして、これ以降、小倉の先制愚形リーチは「小倉リーチ」といって畏怖の対象となったのである。
先進的な戦術と鉄の心臓を持った若武者。
それが、小倉孝であった。
その小倉が、2連覇を目指す藤崎に挑戦する形となったのが第6回 日本オープン決勝(2008年)。
今から8年前、私は、最終戦を藤崎の真後ろで観戦していた。
オーラスを迎え、連覇のかかった藤崎は逆転を目指してリーチをかける。
ドラは4m。
不十分な形だが、手替わりがあまりなく、条件が倍満ツモであるため、リーチに踏み切った。
かなり厳しい条件ながら、形を作った格好だ。
暫定トップ目は小倉。
小倉は、藤崎に16900差を埋められなければ優勝である。
すると、ここでラスオヤの明石からリーチが入った。
この1000点供託で条件が変わる。
藤崎は倍満の「出アガリ」でもOKとなった。
結果、すぐに明石が8sを掴み、藤崎が迷いなく手を倒す。
ウラドラが1枚でも乗れば藤崎の優勝。
逆に乗らなければ小倉の逃げ切りである。
当時の観戦記にはこう記されている。
「見えていない牌32枚の内、藤崎の勝利となる牌は5枚。
5/32、約15.6%で藤崎の優勝。
27/32、約84.4%で小倉の優勝」
8割方、小倉の優勝である。
藤崎は、運命のウラドラをめくる際、伏せたまま力を込めて、オーバーアクションでめくった。
オヤリーチで条件が変わったこともあり、ギャラリーに対して「このウラドラが1枚乗れば優勝なのだ」と明確に伝えるためであり、ウラドラが乗ることを確信していたからである。
結果、ウラドラが乗り、藤崎の連覇となった。
私は、あのときの小倉の表情を忘れない。
あの冷静沈着な小倉が、唖然とした表情で、ただただめくられた2sを見つめていた。
そのうちにふっと肩の力も抜け、負けたのだと理解するまでに時間がかかっているようだった。
ようやく、あのときのリベンジを果たすチャンスが巡ってきた。
2度負けるわけにはいかない。
団体ポイントとしても、ここでプロ連盟に勝つことができれば非常に大きい。
舞台は整った。
小倉孝、小倉リーチでいざ8年越しのリベンジへ!
プロ連盟が生んだ2人のカリスマ、瀬戸熊・多井の盟友激突!
プロ連盟にて、ともに切磋琢磨してきた同年代の盟友・瀬戸熊直樹と多井隆晴。
その瀬戸熊と多井が、プロ連盟A1リーグを戦い抜き、頂点を決めるプレーオフ「鳳凰位決定戦」に初めて進出したのが2005年のこと。
最終戦を迎えて、瀬戸熊直樹+57.2、土田浩翔(現最高位戦)+21.6、阿部孝則(現RMU)+8.2、多井隆晴▲88.0。
瀬戸熊がかなり有利、一方多井の優勝は現実的には厳しい。
それでも多井は絶対に手を抜かず、いつものように丁寧に攻め続けた。
その多井の攻撃に捕まったのが、優勝を意識して頭が真っ白になってしまったと語る瀬戸熊。
リーチをかけた多井が、瀬戸熊の切った北に「ロン」と言ってから手牌を倒すまでの間に浮かべた悲痛な表情は、痛いほど私たちギャラリーの心に刺さった。
「セト、ごめんよ。でもおれは麻雀だけには真っ直ぐにしか向き合えないよ」
そんな多井の想いをギャラリー全員が感じたはずである。
このアガリがきっかけになったかのように、瀬戸熊は転落し続け、4連覇を目指す阿部の猛追を振り切って土田が鳳凰位を獲得する。
翌年、多井がプロ連盟を脱退したことで、瀬戸熊と多井の対決が観られることはなくなった。
そんな2人が昨年の最強戦予選でぶつかったときには、何やら胸が熱くなったのを覚えている。
そして、ついに、瀬戸熊・多井が団体を背負って戦うときがやってきた。
10年前の、続きをやろうじゃないか。
大きくマイナスしたRMUが首位プロ連盟に土をつけることができるのか!
暴君・瀬戸熊 vs 最速最強・多井
10年分の想いを乗せて、2人の闘牌再開!
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回放送(第3節):9月13日(火) 16:00~ AbemaTV麻雀チャンネルにて
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