自由流猿川の非定型攻撃感覚!麻雀プロ団体日本一決定戦第1節2回戦A卓レポート
8/11(木・祝)15:30よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、第1回麻雀プロ団体日本一決定戦第1節2回戦A卓の様子をお届けします!
対局者は、起家から順に
猿川真寿(日本プロ麻雀連盟)
多井隆晴(RMU)
佐藤聖誠(最高位戦日本プロ麻雀協会)
伊達直樹(日本プロ麻雀協会)
レポーターは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)です。
開始時のポイントはこちら↓
再掲となるが、今回のアンケートでは「どこの団体がライバルですか?」という質問があった。
前回の記事で、ほとんどの者が「全部」または「なし」などと無難に答える中、多井と佐々木はそれぞれ、「プロ連盟」「RMU」と答えたと記したが、それには続きがある。
ライバル団体を名指しした数少ない出場者、その3人目が猿川なのだ。
猿川は答えた。
答えは期せずして「RMU」。
ここに、プロ連盟vsRMU、第2ラウンドのゴングが鳴った。
まずは多井がリーチで先手を取る。
すると、広いイーシャンテンとなった伊達が、残していた東で一発放銃。ウラも乗って8000となり、多井が先制した。
多井はオヤ番でもこの1300オールで、持ち点を4万点台に乗せる。
そして、南1局1本場では、オヤの猿川がイーシャンテンから切ったドラの中をポンしてテンパイすると、終盤にツモってマンガン。
ダントツとなる。
しかし、南3局で2着目猿川が先制攻撃を仕掛けた。
これは・・・
今から遡ること10年。
2006年6月3日、プロ連盟のC2リーグを観戦にいった私は、初めて猿川と出会った。
そのとき、対局後に私が猿川に質問した牌姿がこれ。
244m23466888p123s ドラ6p
6巡目西家、みなさんは何を切るだろうか。
一発ウラなし・食い替えOKのプロ連盟Aルールなら、打4mのダマテン、またはカンチャンかシャンポンで即リーチのどちらかが多数派だろう。
しかし、猿川は予想だにしない一打を放つ。
打2mのダマテン
そして、次巡に7mを引いてツモ切りリーチ。
この意図は、「マンズを2mしか切っていない猿川が7m切りリーチをかけたなら、現物の2mが連打され、4mの出アガリが期待できる」というものだが、驚かされたのはその感覚のほうだった。
猿川「形決めたくなかったんだよね。カン3mに受けて、もし4sでも引いたら形が決まっちゃうでしょ?それが嫌だったんだよね」
いやいやいやいや、4s引いたら三色ですよ?全然嫌じゃないんですけどおおおお!!
この自由な感覚には、未知との遭遇的な驚きがあった。
ちょうど今回のテンパイ形を見て、こんな昔話を思い出したのである。
なぜなら、このリーチの意図と10年前に見たリーチの意図が少し似ていたからだ。
今回のリーチでは、「序盤に6sや9sが多く切られているため8sがヤマにいる可能性が高い」というのももちろんあるが、それより猿川にあるのは「ヒントが少ない河で7s切りリーチを敢行したときに現物の7sが多く切られ、8sで出アガリできること」への期待だろう。
そして、猿川の読み通りヤマに3枚生きていた8sが佐藤に流れ着いたときには、7sが3枚切れ。
ウラはのらず6400だったが、持ち点を3万点に乗せてオーラスを迎えた。
オーラス、白をポンした猿川は、ここからドラの6sを切っていく。
トップ目多井との差は16200であるため、マンガン直撃でも変わらないのだが、ここからドラの6sを打ち切れる者がどれほどいるだろうか。
ドラを残して形が不自由になるぐらいなら・・・
「形を決めたくないんだよね」
若き日の猿川が、自由奔放に笑った。
カンドラの9sが乗って、ダブ南白ホンイツドラ3の倍満。
結果としては僥倖のトップ逆転だが、アガリへの自由な感覚が健在なことに、胸が躍った。
2006年6月3日、同会場では、数十分前に多井隆晴がA1リーグを打ち終えていた。
そのときにはC2リーグだった猿川も、今やプロ連盟を代表する選手になっている。
当時のプロ連盟エース・多井にこんな顔をさせられるなんて、麻雀打ち冥利に尽きるではないか。
猿川のRMU退治は、かくして幕を開けた。
猿川(プロ連盟) +49.0
多井(RMU) +25.2
佐藤(最高位戦) ▲24.7
伊達(プロ協会) ▲49.5
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)
■次回放送(第2節):8月25日(木) 16:00~
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